コーヌステレスコープ義歯
コーヌステレスコープ
(コーヌスクローネ)義歯
テレスコープシステムのなかで、最も広く行われている方法が「コーヌステレスコープ義歯」です。コーヌステレスコープより「コーヌスクローネ」という名称で広く知られています。
コーヌス(konus)は円錐形、クローネ(krone)王冠で、円錐形のクラウン(冠)という意味です。コーヌスクローネは、歯に被せる内冠と義歯の内面に設置する外冠の二重冠構造になっています。内冠はストレートに研磨されており、コーヌス角6度(テーパー12度)に仕上がっています。この角度がくさび力を発揮するための重要な要素です。内外冠のくさび力で入れ歯を支えます。内冠に外冠を最後まではめ込むと入れ歯は外れなくなります。よって、一般的な金属のバネ(クラスプ)は使用せず、見た目が美しい義歯となります。
現在の歯科業界ではインプラント治療が盛んに行われています。インプラント治療はとても良い方法であり、当院でも常に行う治療方法です。同様に、コーヌスクローネは全国の歯科医師に広く認知されていますが、1980年代が最盛期でした。当時、全国の歯科医師が盛んにコーヌスクローネを行いました。その結果、数々のトラブルも発生し、1990年代に入り、「コーヌスクローネはトラブルが多い!」とまで言われるようになりました。しかしながら、トラブルに至った症例に共通するのは、ドイツの正統派コーヌスクローネの適応症例を歯科医師が理解していないこと、歯科技工士が正しい作製工程を守っていないことが原因です。
コーヌスクローネを成功に導くポイントとは?
- すべての入れ歯症例をコーヌスクローネのみで対応しない。患者様の口腔内のコンディションは千差万別。各症例に合わせて、他のテレスコープシステムを使い分ける。
- 必ずコーヌスクローネの作製に必要な道具を使う。特に内冠研磨に用いる横型研磨機は必須である。フリーハンドで研磨しない。コーヌスクローネは、内冠研磨が命。
- 歯科医師は、コーヌスクローネの治療手順を守る。日本風にアレンジしない。歯科技工士は、ドイツ式の作製工程を順守する。
- ドイツ式のテレスコープ義歯作製を熟知している専門歯科技工所と緊密に連携する。
- 無髄歯(神経を取った歯)はコーヌスクローネに不向きであることを歯科医師が理解する。
コーヌスクローネ義歯のメリット
- 入れ歯特有の金属バネ(クラスプ)を使用しないので、見た目が良い。
- 入れ歯の揺れが少ない(リジットサポート)。
- 噛む力が強くなる。
- 取り外せるので、お手入れしやすい。
- 残っている歯のブラッシングが簡単。
- 残っている歯が保存困難になっても、ある程度修理して使用できる。
- 入れ歯の歯が黄色くなっても、修理に出して白い歯に蘇らせることができる。
コーヌスクローネ義歯のデメリット
- 入れ歯を作るに際してできる限り多くの歯を使うこと、内冠装着のために歯を削ること。
- 内外冠の二重構造なので、入れ歯の歯が少しだけ大きくなる。
- 神経のない歯が多い場合は、歯が折れる可能性が高い。
- 歯周病で揺れている歯は使用が難しい。
- 経年的に維持力が減少する場合がある。
どのような方にコーヌスクローネが適応するか?
- 残っている歯が揺れていない。
- 神経が残っている歯が多い。
- 前歯が残っていて、奥歯がない。
- ところどころ歯が残っている。
- 傾いている歯が少ない。
- その他
当院でコーヌスクローネの義歯を作るメリットとは?
- テレスコープシステムを日本に広めた稲葉 繁先生(父)から直接学び指導を受け、正統派コーヌスクローネを継承している。
- コーヌスクローネ治療を成功させるための知識と技術を習得している。
- コーヌスクローネを正しく作製できる専門歯科技工所と連携している。
- 院長が直接治療を行う。メンテナンスは歯科衛生士と共同で進めていくが、院長が毎回チェックする。
- 入れ歯装着後の定期検診とメンテナンスが充実している。
さらにもっと詳しく知りたい方は、当院の入れ歯無料相談にお越しください。
口を大きく開けられる部分入れ歯
「コーヌステレスコープ」
内冠と外冠の二重構造になっています
例えば、同じコップを2個重ねたときに外れないように、茶筒の原理を応用して入れ歯を支えています。内冠の外に外冠を最後まではめると、入れ歯は外れなくなります。
コーヌステレスコープで対応した上顎の入れ歯
外すときは、入れ歯に指がかかるくぼみを持ち上げます。コーヌステレスコープは土台の歯の条件が良い場合に適応します。
残っている歯の本数や場所によっては、禁忌症もあります。